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    肝臓病の症状

  肝炎の症状

 肝炎の症状は、感染原因に関らず似ていますが、発症の仕方や症状の経過から大きく3つに分類されます。突然的に発症し一過性の「急性肝炎」、6ヶ月以上症状の治まらない(検査数値が正常に戻らない)「慢性肝炎」、急性肝炎のうち特殊なもので1週間から10日で死に至ることが多い「劇症肝炎」の3つです。

(急性肝炎
 症状の経過は潜伏期に症状は見られず、「前駆期」に黄疸に先行して風邪のような症状〔全身倦怠感、発熱、頭痛、関節痛、悪心、食欲不振、右脇腹痛など〕がみられます。その後、「黄疸期」と呼ばれ、前駆期の症状が軽快してくる頃に黄疸が見られるようになります。そして、「回復期」はほとんど自覚症状はみられません。

(慢性肝炎
 慢性肝炎は急性肝炎が治り切らずに、肝細胞の破壊と修復が6ヶ月以上にわたって絶え間なく続いている状態をいいます。肝臓病の中で一番多いのがこの慢性肝炎で、一部は肝硬変へ進むことがあります。
 人によっては、体のだるさや吐き気、食欲不振などの症状が見られることもありますが、一般的には慢性肝炎の自覚症状はほとんどありません。そのため、慢性肝炎と診断された人の大半は検診などで偶然見つかるケースです。
 尚、慢性肝炎の治療は検査結果に応じて行われますが、肝機能が安定している場合は特別な治療は必要ありません。

(劇症肝炎
 「初期症状」は、発熱やだるさ、吐き気など風邪のような症状で黄疸が見られます。その「続発症状」として、鼻血や歯肉出血など出血傾向が見られたり、脈拍が激しくなる、呼吸が荒くなる、表情が乏しくなる、意識障害が出る、肝性昏睡に至るなどがあります。

(A型肝炎
 A型肝炎ウイルスに感染すると、2~6週間の潜伏期を経て発症します。高熱、全身倦怠感、下痢、食欲不振など風邪に似た症状が現れます。A型肝炎の場合は、発症が急激であることや発熱頻度が高いことが特徴です。風邪に似た症状が1~2週間続いた後、黄疸が2~4週間ほど続きます。
 症状は一過性で、慢性肝炎に移行することはなく、劇症肝炎になることもまれです。また、A型肝炎は1度かかると永久免疫ができ、再感染することがないことも特徴です。

(B型肝炎
 B型肝炎は、再感染のない「一過性感染」と慢性化の恐れのある「持続性感染」があります。「一過性感染」とは、B型肝炎ウイルスに感染すると、1~6ヶ月間の潜伏期間を経て急性肝炎を発症します。症状の程度は様々で、発熱や黄疸などの典型的な肝炎の症状のでる人もいれば、症状の全くでない不顕性感染の人も70~80%いるといわれています。健康な成人がはじめてB型肝炎ウイルスに感染した場合はほとんどが一過性感染です。
 また、免疫機構が未熟な幼少期にB型肝炎ウイルスに感染すると、ウイルスを異物と認識できず肝炎は起こらない代わりに、ウイルスも排除されず体内にウイルスを保有した状態の「持続感染」となります。このように体内にウイルスを保有してしまう人を「キャリア」と呼びます。
 キャリアの症状の自然経過は、〔無症候期→肝炎期→肝炎沈静期〕と推移します。幼少期の無症候期を経て、10代~30代の間に不完全ながら体の免疫機構が働き、B型肝炎ウイルスを排除しようとするため肝炎が起こります。自覚症状はないかあっても軽いためウイルス排除には至らず、約10%の人が慢性肝炎へと移行します。

(C型肝炎
 C型肝炎に感染すると2~16週の潜伏期間を経て、発熱や頭痛、食欲不振、関節痛など急性肝炎の症状が現れます。しかし、一般に程度が軽く気づかれないことが多く、7~8割の人が慢性肝炎に移行します。こうなると自然治癒は極めてまれで、放っておくと初期慢性肝炎から後期慢性肝炎、更には、初期肝硬変から後期肝硬変へと症状は徐々に進行して行きます。しかし、一般的には慢性肝炎や初期肝硬変では自覚症状が乏しいため、進行した肝硬変となってはじめて全身倦怠感や疲れやすいといった症状が現れてきます。


  肝硬変の症状

 肝硬変は全ての人に症状があるわけではありません。初期の頃にはほとんど症状はありません。それは、肝臓には「代償能」という機能があり、肝臓の一部に障害が起こっても、残りの部分がそれをカバーして働くためです。しかし、その機能にも限界があり肝硬変の病状の進行とともに様々な症状が出てきます。
 症状のない状態を「代償期肝硬変」、症状の出てきた状態を「非代償期肝硬変」と言います。 非代償期になると、全身倦怠感や疲れやすい、食欲がないなどの症状が出てきます。そして、肝機能も落ち、主に次のような他覚症状が現れます。

〔倦怠感〕
疲れやだるさの感じ方は個人差がありますが、急性肝炎では、食欲不振、吐き気と共に強い倦怠感が現れます。脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患のある人は、肝機能の増悪時に多くの人が倦怠感を感じますが、肝機能が比較的良好でも感じることがあります。

〔黄疸〕
ビリルビンと呼ばれる色素が血液中に異常に増加することで、皮膚や白目(眼球結膜)が黄色くなってくる症状のことです。みかんを沢山食べると手のひらや足の裏が黄色くなることがありますがこれは「柑皮症」といって白目は黄色くなりません。また、尿がビールより濃い色になったり、便の色が白くなったら白目を見ることが黄疸が疑われます。黄疸は重大な危険信号なので、黄疸が現れたらすぐに医療機関の受診しましょう。

〔クモ状血管腫〕
胸や肩、二の腕などにクモが足を伸ばしたような形の赤い斑紋が現れる症状のことです。これは細い血管が拡張したもので、一見すると盛り上がっているように見えますが血管腫自体は盛り上がってはいません。

〔手掌紅斑〕
手のひらや指、指の付け根などの膨らんだ部分が赤くなり、点状の赤い部分が散在します。しかし、健康な人でも赤くなることがあるので、病的なものかどうかを見分けるのは難しいでしょう。

〔女性化乳房〕
男性にだけ現れる症状で、女性ホルモンの代謝異常が原因で、乳房だけでなく乳首も大きくなり、押すと痛みがありしこりに触れます。また、下着とこすれて痛みを訴えることもあります。

〔出血傾向〕
血液を固まらせる働きのある血小板の数が低下するため、一度出血すると止まりにくくなります。血小板の減少は肝硬変の程度を知るための大事なポイントです。健康な人は1ミリ立方メートルの血液中に20万以上の血小板がありますが、10万以下になったら肝硬変が疑われます。

〔吐血〕
肝臓での血管の抵抗が増加し門脈の圧が高まると、食道や胃の静脈を通る血液が増えて、胃の粘膜のただれや食道に静脈瘤ができ、吐血をきたすことがあります。吐血を認めた場合は、たとえ少量でもすぐに医療機関の受診しましょう。

〔腹部静脈の怒張〕
門脈圧亢進のためおへその周辺の静脈が拡張し、お腹の表面にミミズがのたうつように浮き上がります。

〔腹水、浮腫〕
尿の出が悪くなったり、下肢のむくみ(浮腫)、腹水などが見られます。腹水の溜まりは初めは気付かないことが多いので体重増加に注意しましょう。

〔クモ状血管腫〕
前胸部や首、肩、腕などに赤く隆起した血管の網状の斑点が見られます。

〔肝性脳症〕
自分の居場所や状況、日時等が分からないなどの意識障害(見当識障害)や徘徊に始まり最後は昏睡状態になります。このような時には、手首が羽ばたくように震える「羽ばたき振戦」や「独特の口臭(肝性口臭)」を伴います。


  脂肪肝の症状

 脂肪肝は検診などで偶然指摘されるなど、自覚症状のない例も多いですが、疲れ易い、だるい、右季肋部(右肋骨の下)痛、腹部膨満などの症状を訴えることもあります。過剰飲酒や糖尿病などに伴う急激な脂肪の蓄積では右季肋部の痛みをきたすこともあります。


  肝癌の症状

 肝癌の場合も相当進行するまで症状の出ないことが多いものですが、肝硬変の症状(だるい、食欲不振、黄疸など)の他には、上腹部のしこりを触れることがあります。骨転移があると同部位の痛み、進行した癌では体重減少や出血などが見られることがあります。