深呼吸ダイエット
    肝臓病の治療法

  肝炎の治療法

 肝炎はそれぞれ急性と慢性の症状がありますが、急性肝炎の時は安静にしておくことが基本です。食欲がなく栄養を十分に取れないときには、ブドウ糖を中心とした点滴により栄養を補います。しかし、B型肝炎やC型肝炎の方の中には炎症が治まらずに慢性化し、薬による治療が必要になる場合もあります。
 薬物療法を始める前には必ず、血液検査や肝生検を行って、病気の進行度や治療効果、副作用発現の可能性などを評価しておくことが重要です。その上で、「インターフェロン療法」でウイルスを体外へ排除し治癒を目指すのか、対症療法として「肝庇護剤」を使用して肝臓の炎症を抑える治療を行うかを決定します。

<抗ウイルス剤(インターフェロン)>

現在の薬物治療の中で治癒が望める唯一の治療法です。インターフェロンは肝炎ウイルスの増殖を抑え、ウイルスの核酸も最終的に破壊してしまうと考えられています。しかし、このお薬は効く人と効かない人があり、治療を開始するための条件が決められています。また、発熱・全身倦怠感など副作用が多いことも知られています。

<肝庇護剤>

〔グリチルリチン製剤〕
この薬の詳細な作用機序はいまだに不明です。抗アレルギー作用、炎症による組織の障害の抑制、組織の修復の促進、肝細胞膜の保護などの作用があることが知られています。治癒は望めませんが、炎症を抑えることで肝硬変への進行を食止めることが大切です。

〔小柴胡湯〕
肝内の炎症を抑制し、免疫力を調節するうえ、線維の増殖も抑えることが知られています。インターフェロンとの併用で間質性肺炎といわれる重篤な副作用が発生することがわかっています。

〔ウルソデオキシコール酸〕
肝臓を保護する作用や、胆汁の流れを改善する作用があり、免疫調節作用もあるといわれています。

〔低アルブミン血漿改善薬(アミノ酸製剤)〕
血液中のアルブミンと呼ばれる肝臓由来のたんぱく質が増加し、腹水や下肢の浮腫が消失し、脳症が改善されます。


(A型肝炎
安静にしていれば自然に治りますが、入院を勧められることが一般的です。初期段階で食欲がないときは点滴によって栄養を補います。

(B型急性肝炎
A型肝炎と同様に安静が治療の基本です。食欲がないときにはブドウ糖中心の点滴を行い、栄養を与えることが必要です。慢性肝炎では、肝硬変へ移行するのを食止め慢性肝炎の段階で治癒することが目標です。治療薬は大きく分けて2つあります。
 1つは肝炎ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス剤(インターフェロン)」、もう1つは肝臓の炎症を抑える「肝庇護薬」です。また、ステロイド剤の投与を突然中止して炎症を悪化させるリバウンド現象を利用した「ステロイド離脱療法」があります。これは慢性肝炎の治療時にステロイドを比較的大量に短期間投与して肝炎を抑制し、その後突然投与を中止します。そうすることで炎症を再燃させ、急性肝炎の状態に持ち込んでウイルスを排除しようという治療法です。

(C型急性肝炎
基本的には前述の急性肝炎と同様に安静が基本です。但し、C型は慢性化する確率が非常に高い肝炎で、7割ぐらいの人が慢性肝炎へと移行します。
 治療の基本は「インターフェロン療法」です。C型慢性肝炎と確定したら、まずウイルス量と遺伝子のタイプを調べます。これは、インターフェロン療法が適するかどうかを判断するためです。適さない場合は、一般的には「肝庇護薬」による治療で肝機能の改善を図ることになります。


  肝硬変の治療法

 肝硬変は一度発症すると元に戻ることはできません。そこで、治療は患者のQOL(生活の質)を維持していきながら、肝硬変の進行を食止めることを目的として行われます。体の機能に支障がない代償期の治療は、「規則正しい生活、バランスのとれた食事」が基本となります。定期的に検査を受ける以外は特別な治療は行われないのが一般的です。
 非代償期では、出てきた合併症の症状を一つひとつ除去し、代償期に戻ることが最大の目標となります。非代償期とは肝硬変の治療というより、合併症の治療ということになります。代表的な合併症には腹水、食道静脈瘤、肝性脳症があります。


  脂肪肝の治療法

 脂肪肝は一般に死に至らない良性疾患として余り重要視されませんが、患者の数の多いこと、脂肪肝の原因となっている飲酒、過食、運動不足などの生活習慣は、脂肪肝のみではなく他の高脂血症に伴う疾患をきたすことより軽視できません。脂肪肝はそれ自体が症状もなく、短期的には生命への危険も少ないため、薬物療法はあくまでも補助的であり、食事、運動、飲酒など患者の日常生活の改善を目標とします。食事は先ず摂取するエネルギーと脂肪の減量を目標とします。日常生活の上では20分以上の少し汗をかくぐらいの早足での歩行を習慣化できるようにします。急激な過剰の運動は肝機能を悪化させるとの報告もあり、体重の減少は0.5~1kg/週を目安にします。心疾患のある人では運動の開始前に主治医に相談した方が良いでしょう。


  肝癌の治療法

 肝癌の治療法は現在いくつかの方法があり、状態に合わせて最も良いものを選びます。超音波で見ることができ3cm以内・3個以内であれば、「エタノール注入療法(PEIT)」や「マイクロ波やラジオ波による凝固療法」が適応となります。
 ウイルスの関係していない肝癌では今後の再発が少ないため手術適応となります。手術でも部位や大きさによって最近では腹腔鏡下に肝臓を切除することが可能となり、より少ない体への負担で手術を受けることができます。また、血流に富む腫瘍では血管内から腫瘍を栄養する血管をゼラチンと抗癌剤で一緒につめて治療(TAE)をすることもあります。